⑤むくみの原因の見分け方

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同カテゴリの前回記事までで、むくみを引き起こす様々な要因をご説明し、中でも病院での検査・治療が必要となるような病気についてはピックアップしてご紹介してきました。
もちろんリラクゼーションサロンにお越しになるお客様の場合、長時間立ちっぱなし座りっぱなしだったためとか、暴飲暴食して一時的にむくんでいるだけとか、深刻な病気とは無関係の方が大半でしょう。
私がここで訴えたいのは、リンパ系の施術に携わるスタッフの方々にはまずもって「むくみのメカニズム」をきちんと理解していてほしいということで、さらに周辺知識として背後に潜みうる病気についてもある程度把握し、自分が対処していいむくみはどこまでか線引きできていれば、なお望ましいと思います。
以下おさらいの意味も込めて、様々な要因で発生するむくみを見分け方という観点から再分類し、まとめてみました。


【全身、または両足がほぼ均等にむくむ場合】

●一時的なもの
・長時間立ちっぱなし、座りっぱなしだったためのむくみ。
・水分や塩分、アルコールの摂取過多によるむくみ。

●慢性的なもの
・心不全→動悸・息切れや胸痛を伴う。できるだけ早急に病院で診てもらうべき。※マッサージ禁忌!
・腎不全→尿の出の悪さを伴う(水分排泄不全)、あるいは尿が泡立つ(蛋白漏出)。できるだけ早急に病院で診てもらうべき。
・肝機能障害→もともと肝臓の数値が悪い方がむくんできた場合。緊急ではないものの病院で診てもらうべき。
・栄養失調→食事のバランスが著しく悪い方、あるいは蛋白漏出性胃腸症の基礎疾患となる持病をお持ちの方。ひどい場合には病院に相談すべき。
・膠原病→関節痛を伴う。緊急ではないものの病院で診てもらうべき。※マッサージ禁忌!
・甲状腺機能低下症→むくんだ部位を指で押しても痕が残らない。緊急ではないものの病院で診てもらうべき。


【局所、ないし明らかな左右差をもって片足がむくむ場合】

●一時的なもの
・深部静脈血栓症→ 乗り物に乗ったりなどして長時間同じ姿勢を取っていて、片方の足が急に赤く腫れてきた場合。血栓が肺に飛んで詰まると命に関わるため、緊急で病院に駆け込むべき。※マッサージ禁忌!
・血管性浮腫→むくんだ部位を指で押しても痕が残らない。顔面や口腔に出た場合、続けて咽喉が腫れて窒息する危険性があるため、緊急で病院に駆け込むべき。※マッサージ禁忌!

●慢性的なもの
・下肢静脈瘤→ 静脈が浮き出ていたりコブのように膨らんでいたりする。緊急ではないものの病院で診てもらうべき。
・リンパ浮腫→ 乳がん・子宮がん・前立腺がんなどのオペでリンパ節やリンパ管を切除したり、放射線療法を行ったことのある方。緊急ではないものの病院で診てもらうべき。※蜂窩織炎・急性リンパ管炎を併発している場合はマッサージ禁忌!

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