⑥原因や性質により変わるむくみケア方法

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同カテゴリの前回記事までで、リンパについてとむくみについて勉強してきました。
カテゴリ最後となる本記事では、むくみをケアする上で注意していただきたいポイントをお伝えします。

医療現場においてリンパ浮腫の治療として為される「リンパドレナージュ」では、閉塞したリンパ管が受けもつエリアに滞ってしまうリンパ液を、きちんと機能しているリンパ菅が受けもつエリアまで、非常にソフトな圧で誘導していきます。
例えば乳ガンのオペで右わきの腋窩リンパ節を切除している場合には、左わきの腋窩リンパ節のエリアを目指す、といった具合です。
この時に強い圧をかけると体表近くにあるリンパ管をつぶしてしまい、リンパ液の誘導効果が半減するため、皮下5mm弱で体液を運ぶイメージの弱圧が良いとされています。

一方、リラクゼーションサロンで提供されるオイルトリートメント等のリンパケアにおいては、厳密な意味でリンパ管の閉塞によりむくんでいるケースに対処することはほぼなく、運動不足や栄養の偏りに起因した体液の循環の悪さを改善しよう、というアプローチであるのが一般的でしょう。
同時にお客様の訴えには筋肉の張りやコリも含まれるのが常ですから、そういったわけで体表近くを狙うのでなく、筋肉にまで届くようにしっかり圧をかけて、蛋白質や老廃物でドロッと重くなった過剰な間質液を押し出し、流し去っていくという施術イメージになるのです。
また硬くなっている筋肉をゆるめて収縮力を取り戻すことで、リンパ管や静脈に対する補助的ポンプ作用を強化し、むくみの戻りの予防を図ってもいます。

つまりむくみの原因や性質に応じて対応策が変わり、手技も変化するということなんですね。

あと大事なのは圧をかけて流す方向で、足であれば鼠径リンパ節、腕であれば腋窩リンパ節に向けて、必ず末端の指先から体幹へ向けて流していくべきで、これを逆流させてはいけません。
体幹なら鎖骨下リンパ本管が目指すべきゴールになります。
それとリンパ管の流れは元々が非常にスローですから、施術においてもあまり勢いよく流さず、ゆったりとしたテンポを心がけるべきと思います。

 

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