④コリ=筋硬結

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同カテゴリの前々回の記事で「筋膜」について、前回の記事で「筋線維」について、それぞれお話ししてきました。
これでようやくカテゴリタイトルである「頑固なコリの正体」の解説をする下準備が済んだところです。
おさらいしておきましょう。

「筋膜」は負荷を受け続けることで水分が抜けてしまい、萎縮したり癒着したりして硬くなるのでした。
「筋線維」は活動が不足すると、サルコメアという構成単位が減ってしまって短く細くなり、収縮力を減退しながら萎縮するのでした。

ここからは私の推測を交えたお話になります。
ひとつの筋肉の中で局所的に負荷のかかる箇所があり、その箇所の筋膜が部分的に萎縮・癒着したとします。
するとその筋膜が付着した筋線維の収縮運動が阻害され、サルコメアの減少が起こって筋線維が短く細くなる。
筋線維が短く細くなるということは、表面積が小さくなるということです。
その時、小さくなった筋線維を覆っていた筋膜はギュッと寄せ集められて密集し、癒着により厚みを増してさらに硬くなるのではないか。
このようにして筋膜が硬さを増すごとに筋線維は収縮力を失って小さくなっていき、筋膜の密集と癒着が繰り返されていく…。

実際に萎縮した筋肉の断面図を観察すると、筋線維が細くなって密度を減らし、代わりに癒着によって厚みを増した筋膜が割合を高めているのが見て取れます。
短くなって収縮力の落ちた硬めの筋線維を、癒着して分厚く頑丈になった筋膜がガチッと包んだ状態、これを「筋硬結」と呼びます。
これぞ頑固なコリの正体なのです!

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