③コリと「筋線維」

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同カテゴリの前回コラムの内容をおさらいしておきましょう。

①筋肉に負荷がかかり続けると、筋肉内で形状安定と結束の役割を担っている筋膜が脱水し、萎縮したり癒着したりして硬くなる。

②その代償に筋線維が縮んで戻る、つまり体を動かそうとする筋肉の働きが阻害される。

③筋線維にも変化が起こる。(←今回はここを解説)

さて上述の通り、みずみずしさを失って硬く頑丈になった筋膜の内側では、筋線維の縮んで戻る運動があまり活発にできなくなります。
体の中で使われない組織というのは、だんだんと萎縮して小さくなっていくもので、筋肉においてそれが起こるのを「筋萎縮」と呼び、特にいま話題にしている「筋線維が充分に活動しないため小さくなる」現象を「廃用性筋萎縮」と言います。
(他に神経系の異常によるものや、筋肉自体の病変によって引き起こされる筋萎縮もありますので、ご注意ください。)

この「筋線維が小さくなる」仕組みをさらにマニアックに観察すると、筋線維の構成単位である「サルコメア」がその数を減らし、筋線維が短く細くなってしまうことが科学的に分かっています。
筋線維は長いほど縮んで戻る距離をかせげて、柔らかい筋肉を構成するのですが、短くなってしまうとその逆、もともとが硬い質の筋肉になってしまうのです。
運動した方が筋肉が柔らかくなるというのはこの辺のことを言っていて、筋線維を活動させてサルコメアを増やして、筋線維を長くしましょうという理屈なんでんね。

同カテゴリの次回コラム「コリ=筋硬結」に続きます。

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