⑤筋硬結のほぐし方

column_thumb_20220315_06

同カテゴリの前回記事で「筋硬結」ができあがるメカニズムを、私の推論を多分に交えてご説明しました。
(というのも筋硬結が発生する機序については、現代の科学をもってしても未だ不明な点が多いからです。)

施術していて時に、グリグリコリコリした砂肝のような手応えの塊が筋肉の中に埋もれていることがあります。
サルコメアが減って硬めになった筋線維を、癒着して厚みと硬さを増した筋膜がガッチリ包みこんでしまった状態の筋硬結です。

あるいはギターの弦かワイヤーかのようにすじばり、筋肉にあるべき柔軟性をまったく欠いた繊維質のコリが、バリバリジョリジョリと響くことがあります。
これも筋硬結の一種で、筋線維の萎縮が進行して完全にやせ細り、癒着した筋膜のみが残ってしまった状態かと、私は類推しています。

これら筋硬結を施術でほぐすためには、まず萎縮・癒着している筋膜に圧をかけて反復的ないし持続的に引き伸ばし、線維間に少しでも水分を戻してあげることです。
筋硬結までいってしまった筋膜はそうそう簡単にゆるみませんが、わずかにせよ一時的にせよ硬さがやわらぐのは、私の経験則からも言えることです。
そして合わせて筋線維に外部的な圧力でもって収縮運動を促すことで、長期的にはサルコメア増加による筋線維の超回復を狙います。

以上は、揉みほぐし・指圧・ストレッチ等を用いての筋硬結への施術イメージです。
ただ、どうしてそもそも筋肉の限局された部位に筋硬結ができるかといえば、ほとんどが骨格に染みついてしまっている不良姿勢だったり、身体操作の悪いクセに起因します。
筋硬結の根治を目指すのに1回の施術では無理で、定期的な施術の繰り返しは必須ですから、その時に体の悪いクセをリセットできる骨格調整などといった術技を併用できたら非常に有効なんじゃないか、という発想から私はその方面の研究も個人的に続けています。
そういったテーマのお話もこのコラム内でいずれできれば、と考えています。

カテゴリー:

ページの先頭へ

ページの先頭へ