同カテゴリの前回記事で、むくみの原因として「血管内の水分量の上昇」を引き起こす病気を列挙していったところ、それだけでかなりのボリュームになってしまいました。
しかしながら、どこまでがリラクゼーションの手に負えるむくみで、どこからがそうでないかの見極めは非常に大事です。
引き続き見ていきましょう。
むくみの原因❷血液の浸透圧の減少
…同カテゴリの前回記事で、「血液中に含まれるアルブミンという蛋白質が水分を引き寄せる役割を担う」「通常は血液の方が間質液より高い濃度でアルブミンを含むため、血管内に水分を留める力がしっかり働いている」と書きました。この水分を留める力を「浸透圧」と言います。しかし病気によって血液中のアルブミン量が減って浸透圧が下がると、水分が血管外に過剰に漏れ出てむくみを引き起こすのです。
例えば腎炎などから「ネフローゼ症候群」に陥ると、血液中にあるべきタンパク質が尿と一緒に排泄されてしまい、血液の浸透圧が低くなってむくみます。尿が泡立っていたりしないか、チェックしてみましょう。
それからアルブミンは肝臓で作られるため、「肝炎」や「肝硬変」に起因する肝機能障害によって血液中のアルブミン量が減り、むくむことがあります。もともと肝臓の数値が悪い方はお気をつけください。
あとはいわゆる栄養失調でアルブミン不足になってしまうパターンです。バランスの取れていないダイエットだったり、中には食べていても腸で蛋白質を吸収できない「蛋白漏出性胃腸症」という病気が原因の方もいらっしゃるようです。
むくみの原因❸血管の透過性の亢進
…前回記事の「血管内の水分量の上昇」と、上に書いた「血液中のアルブミン量の減少」とは、ともに血液成分の偏りの問題とまとめることができますが、次に見ていくのは血管に問題があるケースです。
「血管性浮腫」という、血管内皮細胞の隙間が拡がって血管外に水分が漏れ出てしまい、皮膚や粘膜の一部が急に腫れたりむくんだりしてくる病気があります。頻発するのは唇やまぶたとはいえ、手足など全身に起こりえて、時に消化管をむくませて持続的な激しい腹痛や下痢・嘔吐を呼ぶこともあれば、喉の粘膜を腫れさせて呼吸困難を引き起こすこともあるため、注意が必要です。原因は食物によるアレルギー、薬による副反応、遺伝性のものなど様々あるようです。
また「リウマチ」等の膠原病の一症状として血管炎を発症し、やはり血管から水分が漏れやすくなってむくむことがあるようです。
③血液の問題で発生するむくみ(後編)+血管の問題で発生するむくみ
2022.05.13 更新
カテゴリー:
むくみのタイプとケア方法