①リンパの仕組みと役割をおさらい

column_thumb_20220509_08

オイルトリートメントといえばリンパへの施術というイメージが世間一般に広く浸透していて、お好きな方もたくさんいらっしゃいますよね。
リンパの流れが滞るとむくんだり、代謝が悪くなるといったお話を、耳にされたこともあるかと思います。
そういった話題を本カテゴリでは専門的に掘り下げて、体の中で何がどうなるとリンパの流れが滞ってむくんでしまうのか、そしてむくみにはどんな種類があって、施術する上でどのような注意をするべきか…といった内容を解説していきます。

さて、私たちの体の中に張り巡らされた毛細動脈からは1日に約20リットルと言われる量の水分が周囲の組織に滲み出しており、酸素やブドウ糖・ミネラル・蛋白成分といった栄養素を細胞まで送り届けています。
この血管から滲み出て細胞と細胞の間を満たしている水分を「間質液」と呼ぶのですが、別称で「組織液」とか「細胞外液」、時に「細胞間リンパ液」と呼ぶこともあったりして、つまりこの間質液から「広い意味でのリンパ液」として扱われることが多々あります。
そして間質液のうち80~90%が毛細静脈へと吸収され、残る10~20%は、粒子が大きくて血管の壁を通過できない蛋白質、損傷した細胞やガン細胞、細菌・ウイルスなど含んで「毛細リンパ管」へと吸収されます。
このリンパ管に吸収された段階で「狭い意味でのリンパ液」ということになります。

リンパ液は、皮下の「浅リンパ管」や身体深部の「深リンパ管」を流れて「リンパ本幹」に注ぎ、最後は左右の鎖骨下で静脈に合流して心臓へと至ります。
このリンパ液の流れは、リンパ管そのものに備わった平滑筋の収縮によって作られますが、それだけでは立位・座位において重力に抗って進むのにパワー不足なようで、周辺の筋肉が収縮する際のポンプ作用に補助されている、と言われています。
リンパ管末端からゴールである鎖骨下まで辿り着くのに、だいたい半日から1日かかるという非常にゆったりとした流れです。

ところでリンパ管の所々には「リンパ節」という器官が、全身で数百という数に及び配置されています。
リンパ節の網状組織の中には免疫細胞である「リンパ球(B細胞/T細胞)」や樹状細胞・マクロファージがたくさん詰まっており、ガン細胞だとか細菌・ウイルスといった異物を濾しとり、排除しています。
このようにリンパ系ネットワークは「体内の異物を取り除いて感染・拡大を防ぐ」という免疫系の役割を有しているのです。

(他に、食物から吸収された栄養分のうち、脂質の運搬を行うのもリンパ管の役目です。)

カテゴリー:

ページの先頭へ

ページの先頭へ